十味敗毒湯について解説!|ニキビ治療薬

十味敗毒湯は、古くから皮膚疾患の治療に用いられてきた漢方薬です。ニキビの治療にも使用されており、特に赤ニキビや黄ニキビといった炎症を伴うニキビに対して高い効果が期待できます。
この記事では、十味敗毒湯のニキビ治療効果や副作用、服用方法などを詳しく解説します。
十味敗毒湯とは

そもそも、十味敗毒湯とはどのようなお薬なのかご存知でしょうか。
十味敗毒湯は、中国の伝統医学の知見を基に作られたもので、皮膚の炎症や化膿性疾患を鎮めるための「排毒」を重視しています。
「十味」とは10種類の生薬を意味し、「敗毒」は毒素を取り除くことを指します。
この名前が示す通り、体内の不要な物質や毒素を排出し、健康な状態へと導くことを目的としています。
十味敗毒湯が使用される主な症状
十味敗毒湯の承認された効能は、化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、急性湿疹、水虫となっています。
主な症状には、以下のようなものがあります。
- 皮膚の炎症(湿疹、じんましん、ニキビ、アトピー性皮膚炎)
- 化膿性皮膚疾患(おでき、できもの、化膿したニキビ)
- 体質改善(免疫力の向上、慢性的な疲労感の軽減)
このように、十味敗毒湯は特に皮膚疾患に効果が高いとされています。
また、十味敗毒湯は、抗生物質や外用薬と併用することで相乗効果を得られることがあります。
例えば、外用薬で炎症を直接抑えながら、十味敗毒湯で体内環境を整えることで、より効果的にニキビを治療できます。
ニキビ治療に使用される抗生物質のひとつであるビブラマイシンについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
ビブラマイシンについて解説!|ニキビ治療薬|六本木メディカルクリニックのオンライン診療
十味敗毒湯の成分とそれぞれの役割

十味敗毒湯の特徴はその名の通り、10種類の自然由来の成分が配合されている点にあります。
これらが相互に作用することで、十味敗毒湯は全身のバランスを整えながら、特定の症状に対する治療効果を発揮します。
それぞれが異なる役割を果たし、総合的な治療効果を発揮します。 以下では、各成分が持つ具体的な作用について詳しく見ていきます。
蒼朮(そうじゅつ)
体内の余分な水分を排出し、むくみを軽減する作用があります。また、消化機能を改善する効果も期待されています。
茯苓(ぶくりょう)
利尿作用を助けることで、体内の毒素排出を促進します。精神を安定させる作用も持ち、ストレスによる体調不良に効果的です。
桔梗(ききょう)
喉の炎症を鎮め、呼吸器系の健康をサポートします。痰を取り除き、炎症を抑える作用が特徴です。
柴胡(さいこ)
体の「気」の巡りを整え、炎症を抑制する効果があります。ストレスや疲労から来る不調にも有用です。
生姜(しょうきょう)
血行を促進し、冷えを改善します。胃腸の働きを整える作用もあります。
薄荷(はっか)
清涼感を与え、気分をリフレッシュさせると同時に、血行を促進します。炎症を抑える作用もあります。
連翹(れんぎょう)
化膿を抑える効果があり、感染症の予防に役立ちます。特におできやできもの、化膿したニキビの治療で効果的です。
荊芥(けいがい)
発汗を促して熱を下げる作用があり、体内の熱を調整します。
甘草(かんぞう)
炎症を鎮め、他の成分のバランスを整える「調和薬」として働きます。
川芎(せんきゅう)
血行を促進し、頭痛や生理痛などの痛みを和らげます。
十味敗毒湯のニキビ治療効果

十味敗毒湯は特に皮膚疾患に効果が高いと先述しましたが、十味敗毒湯がニキビに効果を発揮する理由は、その複雑で多岐にわたる作用にあります。
ここでは、十味敗毒湯の効果について、ニキビ治療にフォーカスして具体的に解説します。
効果1:抗炎症作用
十味敗毒湯に含まれる柴胡(さいこ)や連翹(れんぎょう)、甘草(かんぞう)などには抗炎症作用があり、炎症の原因となる物質を抑える働きをします。
ニキビの赤みや腫れを引き起こす炎症を抑えることで、肌の鎮静化を促します。
そのため、特に赤ニキビや黄ニキビなど炎症性のニキビに対して効果が期待できます。
効果2:解毒作用
東洋医学では、ニキビの原因を体内に溜まった「毒素」と考えることがあります。
十味敗毒湯に含まれる蒼朮(そうじゅつ)や茯苓(ぶくりょう)には利尿作用や余分な湿気を排出する効果があり、肌の浄化を促したりニキビの原因となる細菌の増殖を抑えたりすることで、肌トラブルの改善に寄与します。
効果3:血行促進
十味敗毒湯は、血行を促進することで肌の新陳代謝を高め、ニキビの治癒を早めることが期待できます。
生姜(しょうきょう)の血行促進作用により、肌への栄養供給が改善され、細胞の代謝が促進されます。
これにより、肌のターンオーバーが正常化し、ニキビ跡の回復にも効果的です。 また、川芎(せんきゅう)の血行促進作用により、肌の新陳代謝が活性化します。
これらの効果により、ニキビの原因となる皮脂詰まりの解消や、肌の修復が促進されます。
なお、十味敗毒湯がダイエットに効果があると見聞きしたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、十味敗毒湯にはダイエット効果は期待できません。
ダイエットを目的とする場合は、防風通聖散や防己黄耆湯など別の漢方薬が向いています。
防風通聖散や防己黄耆湯についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
漢方ダイエットの効果は?防風通聖散・大柴胡湯・防已黄耆湯の選び方|六本木メディカルクリニックのオンライン診療
十味敗毒湯の副作用

自然由来の成分で構成される十味敗毒湯ですが、まれに副作用が現れる場合もあります。
どのような副作用が起こり得るのか、そして副作用が現れたときにどう対処すればよいのかを知っておくことはとても大切です。
ここでは、十味敗毒湯の副作用について具体的に説明します。
一般的な副作用
消化器症状
食欲不振や胃の不快感、吐き気などが起こる場合があります。
皮膚の症状
皮膚の発疹や赤み、かゆみなどの症状が現れることがあります。
重大な副作用
偽アルドステロン症(低カリウム血症)
十味敗毒湯に含まれる甘草のはたらきにより、非常にまれですが偽アルドステロン症がみられる可能性があります。
アルドステロンは副腎から分泌され、体内にナトリウムや水をためこみ、カリウムの排出を促すはたらきがあります。甘草に含まれるグリチルリチン酸を多量に摂取すると、まるでアルドステロンが過剰分泌されたかのように、血清カリウム値が低下し、血清ナトリウム値が上昇することがあります。
偽アルドステロン症の症状としては、以下のものがあります。
- 高血圧、手足のだるさ、しびれ、むくみ、筋肉痛
気になる症状がある場合は、服用を中止してすぐに医療機関を受診してください。
(参考 https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/11/dl/tp1122-1d02.pdf)
十味敗毒湯の服用方法と服用の注意点

十味敗毒湯の効果を最大限引き出すために、正しい服用方法を守ることが重要です。ここでは、十味敗毒湯の正しい服用方法と服用時の注意点について詳しく説明します。
服用方法
- 成人の場合:1日2~3回、食前(食事の30分前)または食間(食事と食事の間。食後2時間後頃が目安)に服用します。
- 小児の場合:年齢や体重に応じて、適切な量を医師が判断します。
- 水やぬるま湯で服用してください。
- 飲み忘れた場合、気がついた時点ですぐに飲むか、次に飲む時間が近い場合は飲み忘れた分をスキップしてください。
- 1か月ほど服用しても症状が改善しない場合は服用を中止し、医師に相談してください。
服用の注意点
以下に該当する方は服用前に医師に相談してください。
- 体力の衰えている方、体が弱い方
- 胃腸の弱い方
副作用の消化器症状があらわれる可能性があります。
- 医師の治療を受けている方
- 今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある方
- 妊娠中または妊娠している可能性のある方
妊娠中または妊娠している可能性のある方には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与することとされています。
- 授乳中の方
十味敗毒湯を正しく活用してきれいな肌を目指す
この記事では、十味敗毒湯の成分や効果、副作用、服用方法を解説しました。 十味敗毒湯は、自然由来の成分からなる漢方薬で、皮膚疾患や体質改善に効果的です。
しかし、適切に使用するためには、医師や薬剤師の指導が欠かせません。十味敗毒湯の成分や効果を理解し、安全な服用を心掛けてニキビを治療していきましょう。
六本木メディカルクリニックではニキビ治療薬として十味敗毒湯を扱っています。
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