漢方ダイエットの効果は?防風通聖散・大柴胡湯・防已黄耆湯の選び方

漢方ダイエットに興味はありますか?自然由来の成分を使って、無理なく健康的に痩せたい方には、漢方ダイエットが最適です。
この記事では、漢方ダイエットの効果から、特に痩せる効果が期待できる防風通聖散・大柴胡湯・防已黄耆湯について詳しく解説します。
漢方ダイエットの基本概要

漢方ダイエットとは
漢方ダイエットは、自然由来の成分を用いた伝統的な東洋医学の知識に基づく健康的なダイエット方法です。主に体質を根本的に改善し、代謝を高めて健康的に痩せることを目指します。
短期間で体重を急激に減らす西洋医学的な手法とは異なり、漢方ダイエットはゆっくりと、無理なく体重を落としながら、リバウンドしにくい体質作りに重きを置きます。
東洋医学では、人の体は「気・血・水」の3つの要素から成り立っているとされ、それらのバランスが健康に直結すると考えられています。
「気」は身体のエネルギーや代謝機能、「血」は栄養や酸素を運ぶ血液、「水」は体内の水分バランスを意味します。

それぞれのバランスの乱れ方が異なると、太り方にも違いが出ます。
例えば、「気」のバランスが崩れると、ストレスによるやけ食いなどが原因で気太りが起こります。このタイプの人は、ストレスを感じると食欲が増し、太りやすくなります。
一方、「血」の巡りが悪くなると、血液の流れが滞りやすく、固太りのような状態になります。これを血太りと呼び、特に女性に多く見られ、がっちりとした体型に影響を与えます。
さらに、体内の水分代謝が悪くなると、余分な水分が体内に溜まる水太りタイプになります。このタイプの人は特に下半身に脂肪やむくみがたまりやすく、体の「水はけ」が悪い状態に陥っています。
漢方ダイエットでは、個々の体質・原因に合わせた漢方薬を使い、「気・血・水」のバランスを整えることが重視されます。
個々の健康状態や太りやすい要因に直接アプローチできるように、漢方ダイエットを進めていくことが大事です。
漢方の役割とダイエット効果
漢方薬は、中国伝統医学に基づく生薬を活用した薬剤で、植物、動物、鉱物など自然界の素材から作られています。
体の内側から自然な治癒力を高めることを目指し、無理なく健康的に痩せるサポートをします。
また、急激な体重減少は期待できないものの、長期的に体質を改善することで、リバウンドしにくく、健康を損なうことなく持続可能なダイエットを実現できます。
例えば、脂肪燃焼を促進する漢方薬や、むくみの解消を手助けするもの、ストレスによる過食を防ぐものなど、漢方の種類は多岐にわたります。
これらを組み合わせて、自分の体質や健康状態に最適な漢方薬を見つけることで、痩せやすい体質を作ることが可能です。
重要なのは、無理なく体に負荷をかけず、自然な形での減量を目指す点です。
漢方ダイエットの進め方
漢方ダイエットは、まず自分の体質を理解し、適切な漢方薬を選ぶことから始めます。
その上で、食事や運動、生活習慣の改善を取り入れながら実践します。

例えば、代謝が低下している場合には、代謝を促進する漢方を使用しながら、食事のバランスを整え、軽い運動を取り入れることが推奨されます。
脂肪を溜め込みやすい体質の人には、脂肪燃焼を助ける漢方を、むくみが気になる人には水分代謝を助ける漢方を用います。
ストレスが溜まりがちな場合は、ストレスホルモンを抑制する漢方が役立ちます。
生活習慣の見直しも重要で、規則正しい生活を心がけ、食事の偏りを改善し、適度な運動を取り入れることで、健康的な減量が期待できます。
多くの場合、漢方ダイエットは3〜6ヶ月といった期間をかけてゆっくり進められます。
これは体質改善に時間がかかるためですが、逆に一度痩せる体質になると、リバウンドしにくくなります。
漢方の持つ自然治癒力を活用しながら、ダイエットを進めることで、健康を維持しながら痩せることができるのが大きな利点です。
漢方がダイエットに効果的である仕組み
漢方ダイエットの最大の特徴は、体全体のバランスを整えることで無理なく健康的に痩せることを目指す点です。漢方では、単に脂肪を燃焼させるのではなく、代謝を改善し、消化機能を整え、体内の余分な水分を排出するなど、痩せやすい体質を作ることに重点を置きます。具体的には以下のような効果が期待されます。

1. 代謝の促進
漢方薬の中には、体の代謝を高める作用を持つものがあります。これは脂肪を燃焼させやすくし、体重減少を促進します。代謝の向上は、脂肪の蓄積を防ぎ、エネルギーの消費効率を高めるため、痩せやすい体質を作る基本的なプロセスとなります。
2. 腸内環境の改善
漢方は消化器系の機能を整える効果もあります。便秘や下痢などの腸内の不調は、栄養の吸収を阻害し、脂肪の蓄積を招く原因になりますが、漢方によって腸内環境を整えることで、栄養の吸収を最適化し、代謝が効率的に行われるようになります。これにより、体重管理がしやすくなります。
3. むくみの解消
水分代謝が悪く、体内に余分な水分が滞留してむくみが生じると、体重増加や体が重く感じる原因となります。漢方薬には水分代謝を助け、体内に余分な水分を溜め込まないようにする効果があり、むくみを解消することができます。これにより、見た目にもスリムになる効果が期待できます。
漢方ダイエットのメリットとデメリット

メリット
- 自然由来の成分で安心
漢方は植物や鉱物など自然由来の生薬を使うため、副作用が少なく、長期間の使用でも安心して続けられます。西洋医学の薬物に比べ、体に優しく、持続的に使えるのが魅力です。
- 体質改善効果
漢方は一時的な体重減少にとどまらず、冷え性や便秘、むくみなどの慢性的な不調を根本から改善します。これにより、健康的に体重を落としながら、体全体のコンディションを良くすることができます。
- リバウンドしにくい
漢方は一時的なダイエット効果だけでなく、体質そのものを改善するため、リバウンドのリスクが少ないのが特徴です。代謝が高まり、脂肪が燃焼しやすい体質を作ることで、長期的な体重管理が可能になります。
- 無理な食事制限や運動が不要
漢方ダイエットは、極端な食事制限や過剰な運動を必要としません。日常生活の中で、食事や運動の質を向上させ、体質を改善するための漢方を組み合わせることで、無理なく続けられるダイエットを目指します。漢方のサポートによって、生活習慣を整えるだけでなく、ダイエットをストレスなく続けることが可能です。
デメリット
- 即効性が感じづらい
西洋医学的なダイエット薬に比べて、漢方は効果が現れるまでに時間がかかる場合が多く、即効性を期待する人にとっては物足りなく感じるかもしれません。3か月以上の継続使用が必要なケースもあり、忍耐が必要です。
- 個人差が大きい
漢方の効果は体質によって異なります。自分に合った漢方薬を見つけるまでに時間がかかることもあり、専門家の助言が必要な場合が多いです。効果を実感するまでに時間がかかりますが、途中で諦めないことが肝心です。
- 費用がかかる
漢方薬は保険適用外の場合も多く、長期間服用することで費用がかさむことがあります。特に漢方薬は効果を実感するまでに時間がかかるため、経済的な負担を考慮する必要があります。
しかし、他のダイエット薬や高額な施術と比べると、漢方はリーズナブルで、健康的な体質改善を同時に目指せる点が大きなメリットです。
ほかのダイエット薬としては、リベルサスやマンジャロなどのGLP-1ダイエット薬、スーグラなどがあります。
ダイエットに使われるおもな漢方薬:
防風通聖散、大柴胡湯、防已黄耆湯
ダイエットに効果があると言われる漢方薬は数多くありますが、特に防風通聖散、大柴胡湯、防已黄耆湯の3つは、広く使われている代表的な漢方薬です。それぞれが異なる体質や症状に対応し、ダイエットのサポートとして活用されています。
- 防風通聖散:脂肪燃焼と便秘解消に特化した処方で、特に内臓脂肪が多い人に効果的です。
- 大柴胡湯:ストレスや肝臓の負担からくる体重増加に対応し、脂肪代謝を改善することが期待されます。
- 防已黄耆湯:水太りやむくみに悩む人向けで、体内の余分な水分を排出して体質を改善します。

これら3つの漢方薬は、それぞれが異なるダイエットニーズに対応しているため、自分の体質や生活スタイルに合わせて選ぶことが重要です。次に、それぞれの漢方薬について詳しく見ていきましょう。
防風通聖散

防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)は、肥満や便秘、高血圧、むくみなどを改善する効果が期待される伝統的な漢方薬で、18種類の生薬から構成されています。この漢方薬は、日本の漢方医学において肥満や代謝異常の治療に広く用いられており、特に内臓脂肪型肥満や便秘がちな体質の改善に効果的とされています。
防風通聖散に対応する体質と特徴
防風通聖散は、特に実証体質(体力があり、体内に余分な熱や脂肪を蓄積しやすいタイプ)に適しています。実証体質の人は、代謝が活発で体力があるため、漢方の中でも強い作用を持つ防風通聖散が効果を発揮しやすいのです。具体的には、次のような体質に対応します。
- 脂肪太りタイプ(内臓脂肪が多い): 特に内臓脂肪が多い人に効果的で、脂肪の燃焼を促し、体重減少を助けます。
- 便秘がちの人: 防風通聖散は便秘改善効果もあり、排便を促進することで体内に蓄積した老廃物の排出を助けます。
- 皮膚トラブルがある人: 皮膚の炎症や吹き出物など、体内の余分な熱や毒素が原因で起こる症状に対しても効果が期待されます。
防風通聖散の主な生薬成分とその作用
防風通聖散は、18種類の生薬から成り立っています。これらの成分は、体内の余分な熱を冷ましたり、代謝を促進したりする働きがあります。以下は、代表的な生薬とその作用です。
- 防風(ぼうふう): 体内の余分な湿気や毒素を排出し、発汗を促進する。
- 黄芩(おうごん): 抗炎症作用を持ち、体内の炎症を抑える。
- 麻黄(まおう): 発汗と代謝を促進し、体内の余分な水分や脂肪を排出。
- 大黄(だいおう): 便通を促進し、老廃物の排出を助ける下剤効果。
- 甘草(かんぞう): 緩和作用があり、他の成分の作用を調整し、体内バランスを保つ。
これらの生薬が相互作用することで、防風通聖散は代謝の促進、脂肪燃焼、便秘改善、高血圧やむくみの解消といった多様な効果を発揮します。
防風通聖散の科学的根拠
防風通聖散は、肥満や関連する代謝異常の改善において広く研究されており、科学的根拠に基づく多くのエビデンスが報告されています。以下では、防風通聖散の減量効果や代謝改善に関連する重要な研究結果を紹介します。
1. 体重減少効果の臨床試験
防風通聖散の体重減少効果を検証した臨床研究において、肥満患者における有意な体重減少が報告されています。ある研究では、肥満外来患者127例を対象に防風通聖散を6か月間投与した結果、体重減少を確認しました【Itho et al., 2005】。特に、食欲が低下した患者群では、平均で−4.8kg/6か月の減少が認められ、食欲に変化がなかった群でも−1.4kgの減少が見られました。この研究は、防風通聖散が体重減少において効果的であることを示していますが、腹痛や下痢などの副作用も報告されており、適切な使用とモニタリングが必要であるとされています。
2. メタボリックシンドロームに対する効果
防風通聖散は、体重減少だけでなく、メタボリックシンドロームに伴う代謝異常にも効果があるとされています。肥満患者を対象とした別の臨床試験では、防風通聖散が血清中性脂肪や肝機能の数値を改善したと報告されています【Yasueda et al., 2013】。この結果は、防風通聖散が脂肪分解を促進する作用を持ち、肥満や脂肪肝の治療にも有効であることを示唆しています。
3. 防風通聖散の効果を示した系統的研究
Hartmann-Boyceらによる系統的研究(複数の研究結果を客観的にまとめたもの)では、防風通聖散を含む伝統的な漢方薬が、肥満や体重管理において有効であることが確認されています。この研究では、防風通聖散が食欲調整やエネルギー消費の増加を通じて体重減少を促進する可能性があることが示唆されています。また、食事制限や運動療法と併用することで、さらに効果的な結果が得られる可能性があると結論付けられています【Hartmann-Boyce et al., 2020】。
まとめ
防風通聖散は、肥満治療において科学的根拠に基づいた有効性を示している漢方薬です。体重減少や脂質代謝の改善に加え、内臓脂肪の減少や便秘改善、高血圧や脂肪肝などの代謝異常の治療にも効果的であることが臨床研究で確認されています。定期的な医師のモニタリングのもとで適切に使用することで、安全にダイエット効果を得ることが期待できます。
大柴胡湯

大柴胡湯(だいさいことう)は、漢方医学における代表的な処方の一つで、特に「実証体質」やストレスによる肥満、便秘に有効とされています。西洋医学の肥満治療薬とは異なり、体質や根本的な健康状態に働きかけ、ダイエットに加えてストレスの緩和や消化器系の調整を目的としています。これは、体力があるがっしりとした人、特に内臓脂肪やストレス過多によって太りやすい体質の人に適しています。
大柴胡湯に対応する体質と特徴
大柴胡湯は、以下のような特徴を持つ人に対して効果を発揮します。
- 実証体質(体力がある人)
大柴胡湯は、体力が充実しており、筋肉質でしっかりとした体格の人に適しています。このようなタイプは代謝が比較的高い反面、ストレスや便秘などが原因で体重が増えやすい傾向があります。
- ストレス太りタイプ
精神的なストレスや緊張が体に負荷をかけ、暴飲暴食を引き起こし、結果として体重が増加するタイプの人にも効果的です。大柴胡湯はストレスの軽減を助け、内臓脂肪の蓄積を抑える作用があります。
- 消化器が強いタイプ
消化機能がしっかりしているものの、食事量が増えすぎたり便秘に陥りやすい人に適しています。消化不良が少なく、胃腸が強いタイプの人は大柴胡湯の成分が効率的に働き、体重管理をサポートします。
大柴胡湯の生薬成分とその作用
大柴胡湯は、8種類の生薬で構成されており、それぞれが相互に働きかけ、代謝の促進や消化機能の調整、ストレス緩和の作用を発揮します。以下は、代表的な生薬とその作用です。
- 柴胡(サイコ)
柴胡は、肝臓に作用し、「気」の滞りを解消します。ストレスや感情的な抑圧が「気」を乱し、体内のエネルギー代謝を低下させると考えられますが、柴胡はその流れを改善し、肝臓の働きをサポートします。また、ストレスによって過食に走りやすい人にとって、柴胡の作用はストレスの軽減と代謝を促進します。 - 黄芩(オウゴン)
黄芩は強い抗炎症作用を持ち、体内の炎症を抑えます。肥満はしばしば慢性的な炎症と関連していますが、黄芩はその炎症を緩和し、脂肪蓄積を防ぎます。さらに、肝臓や腸の働きを整えることで、消化機能の改善にも効果があります。 - 半夏(ハンゲ)
半夏は、胃腸の調整に優れた生薬で、消化を助けます。特に、ストレスによる胃の不快感や過剰な食欲の抑制に効果的で、消化機能を正常に保ちます。
参考までに、柴胡(サイコ)についてはニキビ治療薬のひとつ、「十味敗毒湯」に関する記事でも取り上げています。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。
十味敗毒湯について解説!|ニキビ治療薬|六本木メディカルクリニックのオンライン診療
大柴胡湯の科学的根拠
大柴胡湯は、ダイエット効果に対する科学的根拠が徐々に蓄積されてきています。特に、脂質代謝や肝機能、炎症反応に対する影響が注目されており、これらが体重減少を助けることが示されています。
1. 臨床試験による体重減少効果
大柴胡湯の減量効果を裏付ける初期の臨床試験では、肥満体質(BMI25以上もしくは腹囲が90cm以上)の女性15名、85cm以上の男性9名に対して、大柴胡湯エキス錠を12週間(3か月)服用させた結果、体重が平均−2.1kg/3か月、体脂肪量が約−2kg/3か月 減少したというデータが報告されています。また、脂肪代謝率も129%に上昇したことが確認され、肥満体質に対する効果が立証されています。【小林製薬 - 漢方研究結果】
2. 脂質代謝への影響
大柴胡湯の成分には、脂質代謝を活性化するものが含まれており、特に肝臓における脂肪蓄積を防ぐ効果が報告されています。例えば、大柴胡湯に含まれている柴胡(サイコ)と黄芩(オウゴン)は、肝臓でのトリグリセリド(脂肪の一種)の合成を抑制することが示されており、これにより肝臓内での脂肪の蓄積を減少させる効果があるとされています【Lee、2022年】。
さらに、AMP活性化プロテインキナーゼという代謝に関わる酵素を活性化させることが分かっており、これにより脂肪酸の酸化が促進され、体内の脂質の蓄積が抑えられることが確認されています【Zhang、2018年】。この作用は、肥満やメタボリックシンドロームの予防・改善において非常に重要なメカニズムです
3. 炎症経路の調整
肥満はしばしば慢性的な炎症と関連していますが、大柴胡湯にはこの炎症反応を調節する効果もあります。慢性炎症は、肥満関連の代謝異常の主な原因の一つとされており、大柴胡湯が持つ抗炎症作用は、脂肪組織における炎症を緩和し、インスリン感受性を向上させる可能性があります【Zhang、2018年】。
炎症性サイトカイン(炎症を引き起こす物質)の減少は、生体内のインスリンが効きづらくなる状態を防ぎ、結果的に健康的な糖分の代謝を維持するために重要です。これにより、体重管理に向けた取り組みがさらに効果的になることが期待されます。
4. 生薬成分の相乗効果
大柴胡湯に含まれる半夏(ハンゲ)や生姜(ショウキョウ)といった生薬は、消化機能を向上させるだけでなく、体内の余分な水分を排出する効果があるとされています【Kang、2019年】。このような作用が、むくみや水太りの改善を通じて体重管理に貢献します。
まとめ
大柴胡湯は脂質代謝や炎症の調整に加え、消化機能や肝機能の改善、余計ない水分の排出を通じた多面的なアプローチで肥満を抑制することが期待されています。
防已黄耆湯

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)は、虚証体質(体力がなく、冷え性で疲れやすい人)で水分代謝が悪く、むくみやすい人に適した漢方薬です。特に、水太りタイプの肥満や運動不足による体重増加を改善するために使用されます。この漢方薬は、余分な水分を排出し、むくみを取り除く利尿作用を持ち、体内の水分バランスを整えることで体重減少をサポートします。
防已黄耆湯に対応する体質と特徴
防已黄耆湯は、特に以下のような体質や症状を持つ人に適しています。
- 虚証体質:体力がなく、冷え性で疲れやすい人に向いています。体力が弱く、筋力が乏しい場合でも、防已黄耆湯は気を補いながら体をサポートします。
- 水太りタイプ:むくみや水分代謝が悪く、体内に余分な水分を溜め込んでしまうタイプの人に効果的です。特に、下半身にむくみが出やすい人や、雨の日に体調が悪化する人に向いています。
- 運動不足や筋力が弱い人:筋力が少なく、体がしまりのないタイプに有効で、水分代謝を促すことでむくみの解消を助け、軽度の肥満を改善します。
防已黄耆湯の生薬成分とその作用
防已黄耆湯は、6種類の生薬から構成されており、これらの成分が相互に作用して水分代謝を改善し、むくみや冷えを解消します。ここでは、その主要な生薬成分と作用について説明します。
- 防已(ボウイ)
防已は、防已黄耆湯の主成分であり、利尿作用と鎮痛作用を持っています。体内の余分な水分を排出することで、むくみや水分代謝の乱れを改善します。これにより、体が軽くなり、冷えやだるさが解消されます。さらに、防已は体内の炎症を抑える効果もあり、肥満による関節の痛みを和らげる作用も期待されます。
- 黄耆(オウギ)
黄耆は、滋養強壮作用を持ち、気を補いながら免疫力を高める効果があります。防已黄耆湯においては、黄耆は利尿作用と併せて、体力の回復や疲労回復をサポートします。虚証体質の人に対して、エネルギーを補給しつつ体内の水分バランスを整える役割を果たします。加えて、黄耆は汗をかきやすい人の汗のコントロールにも役立ち、冷えの改善にも効果があります。
- 蒼朮(ソウジュツ)
蒼朮は、水分代謝を促進し、健胃作用を持つ生薬です。胃腸機能を整え、消化を促進することで、体内に溜まった余分な水分を排出しやすくします。蒼朮は、むくみや水分滞留による不快感を軽減し、肥満や水太りの改善を助けます。また、胃腸を温めて消化機能を高める効果があり、冷えやすい体質に適しています
これらの生薬が組み合わさることで、防已黄耆湯は体内の余分な水分を排出し、むくみや水太りを改善します。
防已黄耆湯の科学的根拠
防已黄耆湯は、主に水太りやむくみを改善する漢方薬として知られており、代謝の改善や体重管理に関する効果が期待されています。
1. 日本の臨床試験によるエビデンス
日本で実施された臨床試験では、肥満症の女性38例に対して防已黄耆湯を24週間(6か月)投与した結果、体重が平均−2.4kg/6か月 減少し、BMIが著しく改善されたとの報告があります【山形県病医誌、2005】。さらに、内臓脂肪の減少や腰囲とヒップ周径の改善も確認されており、防已黄耆湯が肥満に対して有効であることが裏付けられています。
2. 代謝改善による体重減少効果
防已黄耆湯の成分である黄耆(オウギ)は、エネルギー代謝を促進し、脂肪の酸化を助けることで体重管理に貢献することが知られています。Lawらの研究によれば、黄耆は脂肪の蓄積を抑え、脂肪代謝を高める作用があり、肥満の改善に効果を示すとされています【Law、2016年】。これにより、脂肪の蓄積が減少し、体重管理がしやすくなると考えられています。
3. 利尿作用による水太りの改善
防已黄耆湯に含まれる防已(ボウイ)は、利尿作用を持っており、体内の余分な水分を排出することでむくみを解消します。Jiangらの研究では、防已が体内の水分代謝を改善し、水分貯留が原因で体重が増加する「水太り」を軽減することが示されています【Jiang、2020年】。この作用は、運動不足や代謝不良によってむくみやすい体質の改善に効果的です。
4. 食欲調節への影響
さらに、防已黄耆湯は食欲調節にも影響を及ぼす可能性があります。Yang & Chenの研究では、レプチンやグレリンといった食欲に関連するホルモンの調節を助け、満腹感を高め、空腹感を軽減することが示唆されています【Yang & Chen、2018年】。これにより、過食が抑制され、より効果的な体重管理が可能となります
まとめ
以上のように、防已黄耆湯の科学的根拠は、代謝促進作用、利尿作用、抗炎症作用などの多面的な効果に基づいていると考えられます。
それぞれの漢方の飲み方
漢方薬の効果を最大限に引き出すためには、正しい服用方法を守ることが重要です。ここでは、防風通聖散、大柴胡湯、防己黄耆湯の飲み方と、効果が現れるまでの目安についてご紹介します。
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
- 服用タイミング: 食前または食間に1日3回
- 効果が出るまでの目安: 便秘改善は1週間程度、ダイエット目的では1ヶ月程度で効果が期待されます。
大柴胡湯(だいさいことう)
- 服用タイミング: 食前や食間に1日2~3回
- 効果が出るまでの目安: 飲み始めから1ヶ月程度で効果が現れるとされています。
防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
- 服用タイミング: 食前または食間に1日2~3回
- 効果が出るまでの目安: むくみ改善は約2週間~1ヶ月で効果が期待されます。
漢方ダイエットに副作用はあるの?

漢方ダイエットは自然由来の成分を使用しており、副作用が起こるリスクは比較的低いとされていますが、完全にリスクがないわけではありません。漢方薬は、体質や症状に応じて効果を発揮しますが、適切な管理やモニタリングが必要です。特に、長期にわたり服用する際や複数の漢方薬を併用する場合、いくつかの副作用が出る可能性があります。ここでは、防風通聖散、大柴胡湯、防已黄耆湯に起こりうる代表的な副作用について詳しく解説します。
1. 防風通聖散の副作用
防風通聖散は、脂肪燃焼作用や便秘解消作用があるため、ダイエット漢方としてよく使用されます。しかし、以下のような副作用が報告されています。
- 消化器症状: 特に下痢や食欲不振といった消化器系の不調が挙げられます。これは、防風通聖散が体内の水分代謝や脂肪分解を加速させるため、消化器系への負担が増えることが原因です。
- 皮膚症状: 発疹、発赤、かゆみが現れることがあります。これらの症状は、体質に合わない場合やアレルギー反応によるものです。
- 循環器症状: めまいや動悸、発汗といった症状が起こることがあります。これらは防風通聖散が体温を上げ、代謝を促進することによって引き起こされる可能性があります。
防風通聖散の副作用や飲み方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
防風通聖散は危険?副作用・注意点・安全な飲み方とは |六本木メディカルクリニックのオンライン診療
2. 大柴胡湯の副作用
大柴胡湯は、ストレスの緩和や脂肪分解を助ける漢方薬ですが、使用には注意が必要です。特に、長期的に使用すると重篤な副作用が出ることがあります。
- 間質性肺炎: 肺の炎症が起こることで、呼吸困難や乾いた咳、発熱といった症状が現れます。特に、大柴胡湯は肝臓や肺に負担をかける可能性があるため、服用後に呼吸器系の異常を感じた場合はすぐに医師に相談が必要です。
- 肝障害: 肝機能に負担がかかることがあり、倦怠感や黄疸、食欲不振といった症状が現れることがあります。定期的な肝機能検査が推奨されます。
- 消化器症状: 大柴胡湯は胃腸への負担もあるため、腹痛や下痢、食欲不振といった消化器系の不調を引き起こすことがあります。
3. 防己黄耆湯の副作用
防己黄耆湯は、むくみや肥満体質の改善に使われる漢方薬です。こちらも、体質に合わない場合や長期服用による副作用があります。
- 間質性肺炎: 防己黄耆湯もまた、肺に負担をかけることがあり、長期使用による間質性肺炎のリスクがあります。呼吸器系の異常が見られた場合は、速やかに医師の診察を受けるべきです。
- 偽アルドステロン症: 防己黄耆湯を長期間服用すると、血圧が上がることや、体内のカリウムが不足する偽アルドステロン症が発症することがあります。筋力低下やむくみ、高血圧が見られた場合は、服用を中止し医師に相談しましょう。
- 肝機能障害: 肝臓への負担も報告されています。黄疸や倦怠感、胃部不快感などの症状が現れた場合、定期的な血液検査で肝機能をモニタリングすることが重要です。
漢方薬使用時の注意点
漢方薬をダイエット目的で使用する場合、体質を徐々に改善していく必要があるため、効果を実感するまでに数か月かかることもあります。このため、長期間にわたり漢方薬を服用する際には、副作用のリスクをしっかりと理解し、定期的な健康チェックが必要です。
1. 定期的な健康診断とモニタリング
漢方薬は、体に優しいと言われていますが、定期的な検診やモニタリングが必要です。特に、肝機能や腎機能への影響を確認するため、血液検査や健康診断を定期的に受けることが推奨されます。副作用のリスクを早期に発見することで、体への負担を軽減できます。
2. 漢方薬同士や他の薬との飲み合わせに注意
漢方薬の中には、他の漢方薬や西洋医学の薬と相性が悪いものがあります。特に、肝臓や腎臓に負担をかける成分が含まれている場合、他の薬との併用で副作用のリスクが高まることがあります。必ず、他に服用している薬があれば医師に相談し、適切な指導を受けることが重要です。
3. 飲み忘れても2回分まとめて飲むのは避ける
漢方薬は適切な時間に規則的に服用することが大切です。飲み忘れた場合でも、2回分をまとめて飲むのは避けてください。過剰に服用すると副作用が現れるリスクがあるため、必ず1回分を正しいタイミングで飲むようにしましょう。
4. 異常を感じたらすぐに服用を中止
漢方薬を服用している間に、体に異常を感じたり、何らかの不調が出た場合は、すぐに服用を中止し、医師に相談するべきです。特に、呼吸器系の異常や、肌のかゆみ、発疹、食欲不振などの症状が現れた場合、重大な副作用の兆候である可能性があります。
漢方ダイエットは、自然由来の成分を使用するため、比較的安全で体に優しい方法として人気があります。より効果的に、そして安全にダイエットを進めるためには、自分の体質に合った漢方薬を選ぶことが大切です。適切な漢方薬を選べば、副作用のリスクを最小限に抑えながら、健康的に体重を減らすことが期待できます。
ダイエット漢方はどこで手に入る?購入手段について

ダイエットに効果が期待できる漢方薬に興味を持たれた方も多いと思います。しかし、どこで購入できるのか、どうやって手に入れるのかが気になるところです。実際、漢方薬は様々な場所で購入できる選択肢がありますが、それぞれにメリットや注意点があります。
1. 病院での処方
ダイエット漢方薬を手に入れるためには、病院で医師の診察を受け、処方してもらうのは選択肢です。医師の診察に基づいて、あなたの体質や症状に合った漢方薬を処方されるため、最も安心できる方法です。しかし、病院では病気が主な治療目的となるため、ダイエットを目的とした処方は行ってくれない場合がほとんどです。また、ダイエット目的の漢方を処方できる自由診療機関であっても、患者様に対して時間をかけた診察をしてくれないこともあります。
2. 薬局・ドラッグストア
市販の漢方薬はドラッグストアや一部の薬局で手軽に購入できます。特に、一般用漢方製剤として防風通聖散や大柴胡湯などが売られていることが多いです。ただし、これらの製剤は医療用に比べて成分量が少ないため、効果が現れるまでにさらに時間がかかることが一般的です。手軽に試せる反面、長期的に継続しないと効果が感じられにくいことがデメリットです。
3. オンライン診療での処方
近年注目されているのが、オンラインクリニックでの診療・処方です。オンライン診療では、チャットやビデオ通話を通じて医師の診察を受け、体質に合わせた漢方薬を処方してもらうことができます。処方された漢方薬は、自宅に直接配送してもらえるため、忙しい方や近くに病院がない方にとって非常に便利です。メディカルダイエットに特化したオンラインクリニックでは、ダイエットを目的とした防風通聖散や防已黄耆湯を取り扱っており、24時間診療可能なクリニックもあります。
特に、通院する時間がない方や、長時間待つのが難しい方には、オンライン診療は時間と手間を大幅に節約できる選択肢です。診察時間も数分程度で済むことが多く、診療後は自宅で待つだけで漢方薬が届くという利便性が支持されています。
当院でも、漢方のオンライン診療を提供しています。特に、防風通聖散や防已黄耆湯などのダイエット漢方を取り扱っており、ご自宅から簡単に診察を受けていただけます。医師があなたの体質に合った漢方薬を処方し、スムーズにご自宅に配送いたします。

安全性と品質にこだわろう
漢方薬は、国内で製造された信頼性の高いものを選ぶことが重要です。特に、日本で製造されている漢方薬は、厳しい品質管理のもとで作られており安心して服用することができます。一方、個人輸入による海外製の漢方薬は、品質や安全性に不安があるためおすすめできません。
当院のオンライン診療では、厚生労働省が認可している医療用漢方薬を使用しており、専門医による診察のもと、安全に漢方薬を提供しています。漢方薬の購入や使用に不安がある方は、ぜひ当院のオンライン診療をご利用ください。
六本木メディカルクリニックで漢方ダイエットを始めてみませんか
漢方ダイエットは、体質改善を重視した健康的な減量方法です。自分に合った漢方薬を見つけ、正しい方法で継続すれば、無理なく理想の体型を目指すことができます。安全で効果的な漢方薬を選ぶためには、専門家のアドバイスを受けることが大切です。
当院のオンライン診療では、あなたの体質に合わせた最適な漢方薬を処方し、健康的なダイエットをサポートします。当院のメディカルダイエットのページでは、実際に処方されるときの具体的な価格やプラン、よくある質問なども記載しています。興味のある方は、ぜひ一度ご相談ください。
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