メディカルダイエットは保険適用される?自由診療との違いを解説

ダイエットをしたいけれど、自己流ではなかなか効果が出ない。そんなときに医療機関で受けられる「メディカルダイエット」に興味を持つ方も多いでしょう。
しかし、「メディカルダイエットは保険適用されるの?」「自由診療との違いは何?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
この記事では、保険適用されるケースや、自由診療との違いについて詳しく解説します。
医療保険制度について

まず、保険診療とはどのようなものなのか簡単にご説明します。
医療保険制度とは、病気やケガをしたときに、自己負担を抑えて必要な医療を受けられる制度のことです。日本では「国民皆保険」となっており、国民全員加入が義務付けられています。
医療保険制度の種類は大きく分けて3つで、会社員などが加入する被用者保険、自営業者などが加入する国民健康保険、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度となります。
医療機関を受診する際、保険証を提示することで、原則3割の自己負担で医療を受けることができます。高額な医療費がかかった場合でも、経済的な負担が大きくなりすぎないように、高額療養費制度などの救済措置が設けられています。
ここからは本題の「メディカルダイエットの保険適用」について解説していきます。
メディカルダイエットは保険適用されるのか

「メディカルダイエットは保険適用されるのか」の答えとしては、一般的には保険診療の対象外であり、自由診療となります。
そもそも、メディカルダイエットとは「医師の適切なサポートのもとで行う科学的なダイエット」のことですが、美容目的で行われることが多く、健康保険の対象となる「病気の治療」というよりも、「見た目を良くしたい」という美容目的が中心となるためです。
まれに、保険適用でダイエット治療が受けられるケースがあります。それは、肥満が原因で健康上の問題を抱えている場合です。
保険適用でダイエット治療が受けられる条件

メディカルダイエットは基本的に保険適用外ですが、特定の条件を満たす場合は、肥満外来での治療として保険が適用されることがあります。
- BMI35以上の高度肥満に該当する人
- BMI25以上で肥満に関連する下記疾患を有する人
- 耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
- 脂質異常症
- 高血圧
- 高尿酸血症・痛風
- 冠動脈疾患:心筋梗塞・狭心症
- 脳梗塞:脳血栓症・一過性脳虚血発作(TIA)
- 脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患/NAFLD)
- 月経異常,不妊
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)・肥満低換気症候群
- 運動器疾患: 変形性関節症(膝,股関節)・変形性脊椎症,手指の変形性関節症
- 肥満関連腎臓病
- BMI25以上で内臓脂肪の蓄積を認める人
(肥満診療ガイドライン2022より)
BMIの計算方法と身長別の肥満体重表
以下はBMI計算方法と身長別の肥満体重をまとめた表になります。
実際には医師の診察と詳細な検査が必要です。健康障害の程度によって適用範囲が異なる場合もありますので、詳しくは医師にご相談ください。
【BMIの計算方法】
BMI=体重(kg)÷(身長(m))×(身長(m))
【身長別の肥満体重】
| 身長(cm) | BMI25 (肥満症の基準) | BMI35 (高度肥満症の基準) |
|---|---|---|
| 150cm | 56.3kg | 78.8kg |
| 155cm | 59.9kg | 82.8kg |
| 160cm | 64.0kg | 89.6kg |
| 165cm | 68.1kg | 95.4kg |
| 170cm | 72.3kg | 100.9kg |
| 175cm | 76.6kg | 107.4kg |
| 180cm | 81.0kg | 113.4kg |
| 185cm | 85.6kg | 120.3kg |
| 190cm | 90.3kg | 126.5kg |
メディカルダイエットの保険診療と自由診療の違い
ダイエットが保険適用となるケースについて分かったところで、メディカルダイエットの保険診療と自由診療の違いについてご説明します。
保険診療と自由診療の違いをまとめると以下のようになります。
| 保険診療 | 自由診療 | |
|---|---|---|
| 目的 | 病気の治療、健康回復 | 美容目的、体重減少 |
| 対象者 | 肥満が原因で健康上の問題を抱えている人 | 誰でも |
| 費用 | 一部自己負担 | 全額自己負担 |
| 医療機関 | 内科、消化器内科、肥満外来など | 美容クリニック、ダイエット専門クリニックなど |
| おもな治療内容 | 食事療法 運動療法 薬物療法 手術療法 | 薬物療法 美容機器による施術など |
保険診療では病気の治療を主な目的としているため、肥満が原因で健康上の問題を抱える方が対象になります。医療保険制度が適用されるため、費用の自己負担は一部となります。
一方、自由診療では美容目的で痩せたい方が対象です。保険適用外の治療のため、費用は全額自己負担となります。
それぞれのおもな治療内容についても記載しましたが、「○○療法と言われてもイメージがつかない」という方も多いと思います。
ここからは、保険診療・自由診療別に治療内容をご説明します。
保険適用のメディカルダイエットの治療例

メディカルダイエットが保険適用となる場合は、食事療法、運動療法、薬物療法、手術療法が中心となります。
食事療法
食事療法は、栄養学的にバランスの取れた食事をすることで、体重を減らす方法です。専門家である栄養士が指導を行い、個別の食事メニューを作成します。カロリー制限をすることや、栄養素のバランスを考慮した食事を取ることが重要です。たとえば、高タンパク低カロリーの食事にすること、低炭水化物ダイエットを取り入れることなどが考えられます。
肥満症の食事療法では、摂取カロリーの管理と栄養バランスの最適化が重要です。
①摂取カロリーの管理
1日の摂取カロリーは「25kcal × 標準体重(BMI 22)」が目安です。
| 身長 | 標準体重 (BMI 22) | 1日の目標カロリー |
|---|---|---|
| 150cm | 49.5kg | 1,238kcal |
| 160cm | 56.3kg | 1,408kcal |
| 170cm | 63.6kg | 1,590kcal |
| 180cm | 71.3kg | 1,783kcal |
高度肥満症(BMI 35以上)の場合は、健康維持を考慮しながら「20〜25kcal × 目標体重」で設定します。
②栄養バランス(PFCバランス)
PFCバランスとは、1日の摂取カロリーに対し、エネルギー産生栄養素であるタンパク質(protein)、脂質(fat)、炭水化物(carbohydrates)がどのくらいの割合を占めるか示したものです。

こちらのグラフはあくまで一例ですので、医師や管理栄養士の指導のもと、適切なカロリーと栄養バランスを守ることが重要です。
運動療法
運動療法は、脂肪を燃焼させ、筋肉を増やすことを目的とした治療です。
運動不足が原因で体重が増加している場合、専門の運動指導を受けることが有効です。患者の体力や年齢に応じた運動プログラムを提供し、無理なく続けられる方法で体重を減らしていきます。
肥満症の改善には有酸素運動が推奨され、週150~300分の中等度運動が効果的とされています。中等度運動とは、最大心拍数の50~60%で行われる運動のことを指します。人によって最大心拍数は異なりますが、以下が中等度の有酸素運動の例です。
| 運動 | METs(運動強度) |
|---|---|
| ヨガ、ストレッチ | 2.5 |
| ウォーキング、軽い筋トレ | 3.5 |
| 自転車 | 4.0 |
| 山登り | 6.5 |
| ジョギング | 7.0 |
| サイクリング | 8.0 |
運動は脂肪燃焼だけでなく、生活習慣病予防やリバウンド防止にも役立つのでおすすめです。
薬物療法
肥満に対する薬物療法は、食欲を抑制したり、脂肪の吸収を抑えたりする薬を使用することで体重を減らす方法です。また、薬物療法は食事療法や運動療法など他の治療法と組み合わせることで効果が高まることが期待されています。
高度肥満症(BMI 35以上) で以下の条件を満たす場合、薬物療法が保険適用となる可能性があります。
- 糖尿病・高血圧・脂質異常症などの合併症を1つ以上持つ
- 内臓脂肪面積100cm²以上+合併症2つ以上
- 食事・運動・行動療法を3~6ヶ月行っても効果が不十分
- 外科治療後にリバウンドが見られる
薬物療法で使用される主な薬剤は、以下のものになります。
手術療法
肥満症や、薬物療法や運動療法が効果を発揮しない場合や、高度肥満症の場合には、外科的手術が選択されることもあります。例えば、胃のサイズを縮小する「胃バイパス手術」や「胃スリーブ手術」などが行われることがあります。
これらの手術は、健康状態に大きな影響を与える肥満症に対して実施され、手術後の生活改善が求められます。
自由診療のメディカルダイエットの治療例

美容目的のメディカルダイエットは基本的に保険適用外となり、自由診療となります。
自由診療の場合は、薬物療法や美容機器による施術が中心となります。
ここからは代表的な施術を紹介します。ご紹介するのはこちらの治療法です。
- 薬物療法:GLP-1受容体作動薬
- 美容機器による施術:脂肪冷却、脂肪溶解注射、高周波・レーザー・ハイフ
GLP-1受容体作動薬
近年注目されているメディカルダイエットのひとつ、GLP-1ダイエットで使われるお薬です。GLP-1受容体作動薬(リラグルチドなど)は糖尿病治療には保険適用されますが、ダイエット目的では保険適用外となります。
食欲を抑制する効果や満腹感を持続させる効果があります。ただし、お薬によっては自己注射が必要であり、副作用にも注意が必要です。
注射薬のひとつであるマンジャロについて、こちらの記事で効果や副作用などを解説しています。
マンジャロの効果を徹底解説!いつから、どのくらい痩せる?|六本木メディカルクリニックのオンライン診療
また、GLP-1ダイエットについてはこちらの記事で詳しく解説しています。GLP-1ダイエットにご興味のある方はぜひご覧ください。
GLP-1ダイエットとは?|効果や薬の種類を徹底解説!【医師監修】|六本木メディカルクリニックのオンライン診療
脂肪冷却
脂肪細胞を冷却し破壊する施術で、メスを使用せずに脂肪を減少させることが可能です。1回の治療で約20%の脂肪細胞が減少するとされ、施術時間は部位によって30分~1時間程度です。また、脂肪細胞そのものを体外に排出するため、リバウンドが少ないという特徴があります。
痛みが少なくダウンタイムもほとんどありませんが、効果が現れるまでに1~3ヵ月ほどかかります。
脂肪溶解注射
脂肪溶解注射とは、脂肪を溶解する薬剤を注射することで部分痩せを実現する施術です。この施術では脂肪細胞を直接破壊することから、顔やボディの細かい部位にも対応できるという特徴があります。
即効性があり、施術直後から効果を実感できる場合もありますが、多くの場合、複数回の施術が必要になります。
高周波・レーザー・ハイフ
高周波やレーザー、ハイフなどを用いた施術は、美容目的では保険適用外となります。脂肪細胞の減少だけでなく、肌の引き締めやコラーゲン生成を促す効果も期待できます。
メスを使用せず短時間で施術が可能ですが、効果には個人差があります。
メディカルダイエットは医療費控除の対象なのか

「自由診療の場合、メディカルダイエットは医療費控除の対象になるの?」という質問が寄せられることがあります。
結論から申し上げますと、メディカルダイエットは医療費控除の対象外です。
医療費控除の適用条件のひとつに、「治療を目的とした医療行為であること」があります。
メディカルダイエットは美容目的で行われる医療行為であり、病気やケガの治療が目的ではありません。
そのため、メディカルダイエットは医療費控除の対象外になるのです。
まとめ
この記事では、メディカルダイエットの保険診療と自由診療の違いについて解説しました。
メディカルダイエットは一般的には保険適用外ですが、肥満が健康に大きな影響を与えている場合は、保険診療を受けることができる場合があります。 保険診療を受けるためには、まずは医師に相談し、肥満が原因で健康上の問題を抱えているかどうかを診断してもらうことが大切です。また、美容目的で自由診療を受けたい場合は、医師の診察を受けて効果やリスクなどを理解することが大切です。
六本木メディカルクリニックでは、メディカルダイエットのお薬として、薬物療法で取り上げた治療法も取り扱っています。医師の診察以外に、希望される方はカウンセリングを受けることも可能ですので、公式LINEからお気軽にご相談ください。
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